北海道の滝風景
道東編特色ある風景

ここでは、道東地方の特色ある風景をご覧頂きます。
(クリックすると写真が大きくなります。)

 

1.流氷

 ここに掲載したのは西暦2000年前後の写真であるが、最近は地球温暖化の影響で、流氷が年々薄くなっているという。

 流氷は、ロシアのアムール川流域で発生し、大量の植物プランクトンなどの栄養分を中に閉じ込めたまま南下して、春に道東の沖で解け、その恵みを沿岸にふんだんに撒いて行ってくれる。つまり、我々はロシアの大地の豊かな恵みを享受しているわけである。
 その流氷が、毎年薄くなるとすれば、今後、周辺の漁業にも少なからず影響が出るだろう。単に漁獲量だけでなく、最高級の羅臼昆布などの成長や収穫にも影響が出て、やがて「豊かな海」と呼べなくなる日が来るかも知れない。

 温暖化の話は、決して他人事ではない。自然のバランスを壊し、我々の生活に確実に降りかかって、大きな影響を与えるものだ。すでに想定外の異常気象とか、観測史上初めての記録といった形で、各地に被害が出始めている。
 非常に残念なことに、我々日本人は往々にして問題意識が希薄である。他人(特に外国人)が騒ぎ出して初めて問題の存在に気付き、驚いたりする。閑話休題。

 何でも壊すのは簡単だが、元に戻すのは難しい。我々には、気象を思い通りに制御する力は無いのだから、もっと真剣に取り組むべきだと思う。


野付半島の夜明け。この日はワイングラスにはならなかった。
赤味を帯びた空の色が、流氷が染めている。この澄んだ空気感がいい。
夜明けの流氷の美しさは、格別である。
朝陽に染まる流氷は、強い感動を与えてくれる。
強烈な朝日で、流氷の海が輝いている。
水面から水蒸気が上がっている。幻想的なひと時である。
魚眼レンズで捉えた流氷の世界。蓮の葉のような氷が面白い。
シャーベット状の水面が強い朝陽を反映し、まるで黄金のように輝いて見える。
かなり日が昇ったが、まだ赤味を帯びている
ようやく赤味もなくなり、寒々とした世界になった。
オジロワシには魚が大事な獲物だ。
カメラを振ると、こちらに鋭い視線を向けてきた。さすがの迫力だ。
鋭い表情のオジロワシ。この貫禄はどこから来るのだろう。
彼らも生き延びるために必死なのだ。
オジロワシとオオワシは、一緒にいても喧嘩はしない。まるで巨頭会談のようだ。
周囲をうかがう若いオオワシ。白い肩がカッコいい。
翼を広げると白い肩がおしゃれなコンビネーションになる。
オジロワシとオオワシ。これだけ集まると壮観である。
見事なオオワシの勇姿。肩が白いのがオオワシの特徴である。
獲物の取り合い。これぞまさしくワシづかみだ。素早いものが生き延びる。
向こうの国後島をはさんで、流氷原が続いている。
国後島は、すぐ目の前にある。いつ戻ってくるのだろう。
着地直前のオジロワシ。降りる姿もカッコいい。
カモメもエサにありつこうと集まってくる。
カモメもこれだけ大群になると壮観である。威圧感さえ感じる。
クラカケアザラシ。困ったような顔がユーモラスだ。
ゴマフアザラシの母親。人間の気配を感じ、海の中に飛び込もうと走った。
置き去りにされたゴマフアザラシの赤ちゃん。ごめん、写真を撮りたいだけなんだ。
赤ん坊のうちは、産毛が保護色になっている。だから母親は安心して避難できる。
まるで縫いぐるみの人形のようだ。無事に育って欲しい。
朝の様子も、千変万化だ。羅臼の海岸にて。この日は薄い雲に覆われ、わずかに赤味を帯びただけであった。
これも羅臼の海岸。この日は厚い雲に覆われ、薄暗く寒々としていた。氷が静かに流されていく。
こちらは網走の海岸。この年は久しぶりに氷が砂浜に打ち上げられ、4mほどの高さに積み上がっていた。朝焼けも鮮やかだった。
羅臼港から見た夜明け。国後島がくっきりと浮かび上がった。
走古丹の朝。日が昇ったばかりで、まだ赤味がある。白鳥の群が目の前を横切った。
ついたてのように見事に立ち上がった氷。海からの圧力で、氷が互いに押し合い、思わぬ形で積み上がっていく。
雪を被っているが、透明度は高そうだ。美しい水色をしている。
太陽で透かしてみた。栄養分を沢山含んでいるので、完全な透明にはならないのだろう。
魚眼レンズで見た風景。どこまでも果てしなく氷の海が続いていく。
知布泊で見た夕陽。海明けも近い。凍った港の上に釣り人が見える。何が釣れるのだろう。
流氷の終末期。波に乗って氷同士がぶつかり合い、シャーベット状に砕けて海岸に打ち上げる。比較的大きな氷は海底に引っかかって動けず、融けるのを待っている。
左と同じ場所。波打ち際のアップだ。
シャーベット状になった流氷。
4月初めの羅臼。残った氷塊が漂っている。アザラシたちの出産もそろそろ終わりを迎える。
明るい陽射しの中、のんびりと鳥達が集まっている。やがてこの氷塊も姿を消す。



2.エゾシカ

片方の角が短いのは、リーダーの歴戦の証しなのだろうか。
子供たちが草を食べる間、片時も警戒を緩めなかった。
最近は鹿が増えすぎたために、期間を区切ってハンターによる駆除を行っている。
のんびり草を食べている様子を見ていると、生態系の破壊など思いも寄らないのだが。
流氷のすぐそばまで食料を求めて歩き回る。
夢中で草を食べる小鹿と、それを見守る母親。
右側のひときわ大きいメスが、このグループのリーダーか。
鹿は、日中は木陰に隠れて静かにしている。日が暮れると、エサを求めて動き回る。
朝陽がまぶしそうな小鹿の顔。母親にぴったりと寄り添っている。
偶然見つけた死体。立派な角を持った雄である。そばに仲間の足跡が見える。彼を慕った雌達のものだろうか。



3.丹頂鶴

鶴は着地の時に不思議なポーズをする。多分片足でバランスを取るのだと思うが、まるで踊っているように見える。
鶴ほどスマートで美しい鳥はいない。まさに生ける芸術品である。
他の鶴が鳴きながら飛んでいると、地上の鶴も声を上げる。互いに対話をしているようだ。
右の2羽は夫婦なのだろうか。まったく同じ姿勢で声を上げている。
夕陽に包まれて夫婦がたたずんでいる。ロマンチックなシーンだった。
雪裡川にて。夜が白々と明ける頃、鶴たちはすでに起き出していた。ここは保護区なので、近づくことは出来ない。



4.知床五湖

一湖。ここだけは背景に山の姿が入らない。
羅臼岳。この日は山頂付近で雲が巻き上げられ、ドラマチックな雰囲気だった。
二湖の展望台の手前から。知床連山は見えなかったが、雲の動きが素晴らしく、風景を十分に満喫した。
二湖の遊歩道から。二湖は一番広い湖である。
二湖の遊歩道から。
二湖。山頂はかなり風が強そうだ。
三湖。2番目に広い湖だ。森が深く、山は見えないが、すがすがしい景色だ。
四湖。
四湖。別のアングルからの撮影。
五湖が見えて来た。
五湖の岸辺の様子。
五湖からも山が見えるはずだったが、この日は山頂が雲で隠されてしまった。
五湖から出口までの途中で見つけたキノコ。このような切り株があちこちにある。
小ぶりだが、元気に生えている。動物たちの格好のえさなのだろう。
横転した倒木の根。まるで現代アートのように先鋭なイメージを放っている。



5.摩周湖

裏摩周の駐車場から見た早朝の様子。いかにも霧の摩周湖らしい。
完全凍結した摩周湖。5年に1度と言われるが、温暖化が進めば頻度も少なくなるだろう。
風に乗って湖面の雪が吹き飛ばされる。奥の山は斜里岳。



6.神の子池

 神の子池の水源は、池の真ん中である。つまり、この池には注ぎ込む川が無く、地下からの湧き水によって形成されている。それはカルデラ湖である摩周湖に貯まった雨水が、地下を通って湧き出てきたもので、そのため水の色も火山の成分を含み、透明で美しいコバルトブルーに染められているのである。

これは8月頃だったと思う。水の透明感が素晴らしい。池の中には魚も泳いでいる。
例年、冬は道が雪に埋もれて行けないのだが、この年は特別に除雪され、多数のカメラマンが訪れた。
地下水のため、真冬でも凍結せず、美しい水をたたえている。
倒木は、腐らず化石化しているという。
池の中で静かに横たわる倒木。永遠の生命を与えられたかのようだ。
急に強い日が差した。水面のさざ波が美しい光景を見せてくれた。



7.屈斜路湖



8.野付半島(トドワラ・ナラワラ

 野付半島には、江戸時代の中頃まで、トドマツ・エゾマツ・ハンノキ・カシワなどの樹種からなる原生林があった。しかし地盤沈下によって海水が浸入し、木々が立ち枯れを起こした。
 トドワラとは半島の先端部分のトドマツの枯れ木群のことである。
まるで白骨が散らばったような光景は、この世の終わりを連想させるような奇観である。近年風化が進んでおり、やがてはトドワラ跡になると言われている。
 
ナラワラも同様で、トドワラに行く途中の道路沿いにあり、ミズナラ・ダケカンバ・ナナカマド・エゾイタヤなどの樹木が立ち枯れを起こしたもので、この辺りはミズナラが多いことからナラワラと呼ばれている。
トドワラの風景。荒涼たる奇観を期待していたが、思いのほか風化が進んでいた。勝手な話だが、少し物足りない。
季節が秋だったためか、塩害のためか、草もほとんど枯れている。心に寂しい風が吹き始めた。
以前に見た写真では、これほどひどく風化した様子ではなかった。残念としか言いようがない。
こちらはナラワラである。この撮影場所も、湿原のようにぶよぶよとしている。
遠くに林が見えるが、地面が湿原のようにぬかるんでいて、これ以上先に進めない。なんとも異様な場所だ。



9.釧路湿原



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